2009年6月27日 イナンバ釣行記

 

  今回はイナンバに挑戦である。さて、 今シーズンのイナンバであるが、ゴールデンウイーク頃は黒潮の北上に伴い、水温が上昇し、あまり芳しくなかったが、黒潮が八丈以南に南下した5月下旬頃から大型のオナガが頻繁に仕留められ、中には64cmオーバーも上がったようである。

 そのような状況の中、釣行のチャンスを窺うが、土日釣行しかできないので、簡単には機会は訪れない。

 6月下旬になり、土曜のイナンバ海域の波高予想が1.1mで、ようやくチャンスが訪れる。しかし、そこは絶海の激流の中に聳え立つ小さな岩礁、渡礁できるかどうかは行ってみないとわからない。

 さて、早朝4時賀寿丸は下田港を出航する。神津島港に一旦寄航した後、船はイナンバを目指す。午前6時40分、快晴の中、イナンバが見えてきた。さらに、船長の声によく見ると、その左手遠くには、薄っすらと八丈島も望める。ほんとうに遠くまでき来たんだなと実感する。

 午前7時イナンバ着。うねりがややあり、満潮と重なって右本場は飛沫を被っているが、渡礁には問題なさそうである。まずは、左本場に着け、数人が上礁。次は右本場に着け、5人が上礁。そして、4畳半に3人上礁し、船は北側の磯に回る。そして、船長の指示で、北のハメという磯に上がった。ここはもちろん初めてであるが、今期はオナガの64cmが上がっており、前航海では、メジナではないと思われる超大物のバラシが2回あったとのことで、期待は大きい。

 状況を観察する。朝一は、左にゆるく流れ、水温は19℃台とこの時期にしては極端に低め、水色激濁りと、これ以上望みようのない条件で、はっきり言ってこの条件は大げさではなく5年に1回のビッグチャンスが巡ってきたと思われた。しかし、問題が一つあった。それは釣座である。ここは、前下がりになっており、あまり前に行くと海に転落しそうで、思い切った動きができないことである。

 照準を60オーバーのみに合わせ、4号竿に道糸7号ハリス8号とする。さて、第1投、足元に仕掛けを入れると直ぐにアタリがあり、45クラスの口太が海面に姿を現す。そして2投目も・・・。やはり去年と同様に口太か、と思いながらリリースしてよく見ると、足元にまるで、木っ端メジナのように口太が湧いている。

 仕掛けの投点等を変えて辛抱していると、エサ取が減ってきた。これはデカイのがいるかもと思って試行錯誤してみるが、大仕掛けの上に相手は歴戦のツワモノ。そう簡単にはヒットしてこない。

 しかし、左手前方で理想的に仕掛けが吸い込まれたなと思った時、ついにアタリを捕らえる。 合わせると一気に足元のオーバーハングに突っ込んでくる。リールはできるだけ速く巻いているつもりなのだが、どうみても追いついていない。でも、めったに使用しない太仕掛け、なんとかなるだろうと思い、4号竿を根元から曲げて耐え、一度は底を切り、ようし捕れると思った瞬間、8号ハリスがあっけなく切られる。見ると、瀬ズレで約50cmに亘ってチリチリになっていた。今のは大型のオナガぽかったが、やはりこの釣座からでは、大型魚の取り込みは苦しい。

   

右本場1です 

 

右本場2です 

 

  その後は当然アタリは出ない。さっきのがオナガとすれば、もうワンチャンスを期待するのは難しいと判断し、今度は持参した鰯のブツを撒く。ハリスは10号として、ツケエも鰯とする。

 小1時間アタリなしで、だめかなと思ったその時、なじんだ仕掛けが猛スピードでひったくられる。これはミスバイトだったが、魚は来ている。次の1投、マキエと仕掛けの同調を心がけ、ゆっくり仕掛けを入れていき、そっと張ると、不気味なアタリがある。通常は、コツコツなのだが、今竿先に伝わる感触はモグモグ(笑)なのである。これはデカそうな魚だと思いながら、合わせを入れた瞬間、猛スピードで沖に走る。太仕掛けにもの言わせて強引に止めようとするが、半端でないスピードで走り、一瞬(僅か2〜3秒)にしてハリスを切られる。切られたハリスを見ると、瀬ズレではない。まさに身の毛がよだつようなバラシである。

  今度は、タックルを換え、5号竿にドラグリール、道糸8号ハリス12号とする。今日持参したフカセタックルでは最強である。

 そのうち、潮が引き、下のテラス状の釣座から釣りができるようになった。ここなら、存分にファイトできると思うが、今日は2度の大バラシをしている。この実釣5時間程度しかない、短い間に果たして3度目のアタリを捕らえることができるのか?

 辛抱強く投入を繰り返していると、やはり、マキエと仕掛けの同調が理想的にできた時に、3度目の大アタリを捕らえる。合わせると、さっきのより増して強烈な引きで、今度は足元真下に突っ込んでいく、渾身の力で溜めようとするが、竿先は海面に突き刺さり、一瞬にして魚は底まで行っており、根に当たっているのがわかる。しばらく引きに耐えると少し引きが弱まった。

 よし、と思い、リールを巻こうとするが、あまりの重量感にリールが思うように巻けない。ポンピングで寄せればいいのではないか?と思われるかもしれないが、竿先を下げた瞬間に走られると竿を伸される可能性が高いので、それもできない。少しでもアドバンテージをとろうと試みたが、結局それすらさせてもらえず、2度目の強烈な引きで、根ズレで12号ハリスを飛ばされてしまった。

 この時、納竿30分前、当然その後は生命反応が全くなく、午後1時納竿とし、イナンバを後にした。

 さて、今日の釣りを振り返ると、やはりいつもこの言葉になるが、状況がよく判っていない上に予測も甘い。事前の調査を含め、もっと色んな状況を想定して、準備を進めるべきである。 但し、条件が違うので一概には言えないが、昨年は大物のアタリすら捕らえることができなかったが、今年はできた。それも恐らく半端でないサイズの。さらに、ここに来たいと思っても来れない磯釣師も沢山いるであろうことを考えると、日本最高峰クラスの磯に立ち、その凄さの片鱗に触れることができた、それだけでも幸せではないか・・・そう思っている。

お世話になったDC賀寿丸です

離礁時のイナンバです 

 

当日のタックルと仕掛け

         竿:IG-Hispeed αZoom Iso Special T4 48-53 → Power Special Fukase 5号48  

        リール:technium 8000T → Twin power 8000HG

         道糸:Tz カゴ 遠投7号 → Tz Applaoud 8号    ハリス:シーガーエース8→10→12号   

         ハリ:カットグレ10→11→カットヒラマサ13号

         ウキ:プロ山元 遠投 B→3B

 

   

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