1998年12月5日宗像沖ノ島釣行記     

 

大物の宝庫宗像沖ノ島に釣行することにしました。いつものように釣行前日にタックルをセットします。今回は月夜の大潮なので夜はデカバンのマダイを狙おうと思い、いつもよりタックルと仕掛けをワンランクアップさせ、インターラインの5号竿に14000番のリールをセットし、道糸は12号とします。そして、竿にラインを通し、ウキ(15号)とカゴ天びんをセットして竿ケースに仕舞います。こうしておくと釣り場についてすぐに竿が出せます。

 

さて、19時30分に津屋崎港に到着し、荷物を船に積み込んでいると、常連の方々が続々とやってきます。中には久しぶりに会う人もいて、会話が弾みます。自分はこの時が一番好きです。やがて、ヤナイ釣具店より餌が届けられ、20時30分、大洋丸は出港しました。

 

22時沖ノ島に到着しました。風は弱いものの北東からのうねりがかなりあります。そんな中、船長は慎重かつ迅速な操船で次々に釣り人を上礁させていきます。

先ずヒデサキ、それから中バナ、天狗、沖バナ、ワレ横、ケーソン、ナガ瀬、平瀬、東瀬、本ワレ、カベ、大谷と進み、最後に常連のK氏と自分が残りました。そして、船長の薦めもあって、久しぶりにポンの鼻(本島西側の地磯)に2人で上礁しました。

 

この磯は、それほど人気のある磯ではありませんが、K氏が最も得意とする磯で、まるで自分の庭のように海底の様子から潮の流れまで熟知しており、シーズンになれば、毎回のように良型のマダイを何匹か持って帰っています。

 

早速先述のタックルを準備します。ハリスはLハードの8号、ハリはプロマダイの10号で、2本バリとします。

いち早く準備ができた自分が「お先に」にというとK氏は「頑張っといで」と余裕で先に竿を出させてくれます。磯の先端まで歩いていき、竿3本半のウキ下で第1投を投入しました。すると、少し左に流されて(下げ潮の反転流)仕掛けがなじんでいきます。

2投目を投げる頃K氏もやってきて2人並んで竿を出します。しかし、エサ取りが多く、すぐにエサが取られてしまいます。そこで、私はツケエに持参した糸巻き(ボイルのオキアミを2匹抱き合わせにし、餌巻き糸で巻いたもの)を使用してみます。すると、5投目くらいで小型ながらマダイをゲットすることができました。

 

2時間後、今度はK氏のウキがゆっくり海中にはいっていき、シャープな合わせがはいりました。竿の曲がりからしてまずまずの型のようです。手前まで魚が寄ったところで自分が下まで降りていき、タモで掬いました。獲物は、60cm弱のいかにも美味そうなマダイでした。納得のサイズではないでしょうが、初獲物なので、氏も笑顔を見せます。

しかし、自分の方はエサ取りに弄ばれ、最初の1匹以後何も釣れないまま午前3時になってしまいました。その頃より左流れの潮が速くなってきました。よし、この潮だと思い、大物に備えて枝バリをカットします。理由は、2本バリだと大物がヒットした場合、片方のハリが根掛かりしてバラす危険性があるからです。

そして、左沖200m地点まで3回程流すがアタリはありません。その間にK氏は1kg強のマダイを追加しました。

 

午前4時近くなり30個ほど準備した糸巻きのツケエも残り2個となりました。今度こそと願いを込めて仕掛けを投入します。左流れの潮は相変わらず強く流れています。その潮に乗せて、仕掛けを流します。そして、時々引き戻したりしながら、約150m地点まで流した時、ケミホタルの明かりが一気に海中に引き込まれました。1、2、3と心の中でゆっくり数えながら糸ふけをとり、大アワセをします。

次の瞬間強烈な引きが襲ってきました。デカイ・・・これは強引に取り込むのは無理と判断し、竿を寝せ、リールのドラグを調整して少し走らせます。さらに取り込みのしやすさを考えて磯の先端から船着き場(ワンドの方)まで移動します。

そして、相手の様子を伺うとグングングンとマダイの首振りのような引きをするので、これはマダイのデカバン、5kgいや8kgあるかも?と思いながら気合をいれます。

 

2〜3分が経過し、引きが弱まったので、少しずつ寄せにかかりました。途中何度か強烈な締込みがありましたが、ドラグ調整で交わし、7〜8分かけてようやく足元まで寄せることができました。しかし、だいぶ走らせたためハリスや道糸が根で擦れている可能性があるのでさらに慎重に獲ります。

K氏は自分の仕掛けを流している途中で回収し、アシストに駆けつけてくれました。ようやく、獲物が浮いてきました。一体何でしょう?大きなヒラス(ヒラマサ)です!その獲物を氏が一発でタモに収めてくれました。タモを受け取り間近で魚を見ると散々てこずらせただけあってやはり大きく、81cm、4.8kgでした。

 

その後は潮も止まり、さらに風裏のこの磯でも風波が強くなってきました。他の釣り場の人達は大丈夫だろうか、と思いながらしばらく休息します。やがて夜明けを迎えたので、フカセ仕掛けに変えて船着き場からクロを狙ってみます。しかし、最近は青物の勢力が強いので、ヒットしてくるのは、ヤズかヒラゴ(小型のヒラマサ)だろうと思っていると、早くもヒラゴがヒットしてきました。しかし、左前方の沈み瀬に走られ、瀬ズレであえなくバラシです。その後も2回きて1.5kg級を1本取りましたが、大物を釣った後のせいか、イマイチ釣ってやろうという意欲にかけているような気がします。

 

そこで、あえて自分に過酷な条件を課すことでだらけた気持ちを一掃することにしました。ハリスを4号から2.5号に落し、ハリもグレの7号から5号に落としてヒラゴに挑戦します。しかし、この仕掛けでは、オナガグレよりさらにスピードとパワーのあるヒラゴとまともに勝負した場合まず取れないので、掛けた時点でリールをフリーにして走らせ、止まったところで、ベールを倒してやりとりにはいるという作戦にします。

 

仕掛けを変えて間もなく、1匹目がヒット。しかし、先述の作戦を使い3〜4分のやりとりで1.7kg級をゲットできました。そして、しばらくして、2匹目がヒットしてきました。今度のは少々良型のようで、ヒヤヒヤするような攻防が続きます。1匹目の倍近い時間をかけてようやく白いキャンバス(サラシ)の上に魚体を横たえてくれました。左手でさっとタモをのばし掬います。68cm、2.3kgのヒラゴでした。そして、この仕掛けで取れたことに心から満足しました。

 

今回は十分な釣果を得たので11時30分に納竿し、磯の上のゴミを拾い、大洋丸を待ちます。13時迎えにきた大洋丸に飛び乗り各磯の釣り人を回収します。どの磯も良く釣れています。まさに、絶好調の宗像沖ノ島でした。

 

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